人材不足で採用に困る企業が増えています。起業したら「人の力」を使って事業にレバレッジをかけていくのが成長には欠かせませんね。
採用のトレンドが変わりつつあるので、その変化をおさらいしましょう。
- 【従来型の採用】待ちの採用活動
- 【最新トレンド】攻めの採用活動
これまでの企業の採用は学生のエントリーシート待ち、あるいは転職希望者の応募待ちが中心で、どちらかというと「受け」だったことは否定できないでしょう。
しかし、現在ではマーケティング視点の「リクルートメント・マーケティング」が注目を集め、「攻め」の採用活動がトレンドとなりつつあります。
この「リクルートメント・マーケティング」の概要と、なぜこうした考え方が生まれたのかをみていき、事業の肥やしにしていきましょう。
Contents
リクルートメント・マーケティングの誕生
従来は「採用部門」「マーケティング部門」は別々と組織として運営していることがほとんどでした。
おおざっぱに言えば一方は新しい人材の登用を、もう一方は商品販売戦略を考えるわけですから、交わることがないのはある意味当然です。
しかし、実務的には同じようなプロセスを辿ることは知られています。どのようなメディアに、どのような予算配分で採用情報を掲載したり、広告を打ったりなど、運用を考える部分は同じような仕事内容ともいえます。
ノウハウの共有で新しい形が生まれる
従来は書類上で行われていたこれらの作業が、スマートフォンや便利なクラウドサービスへと変わるうちに、お互いのノウハウが共有されるようになりました。
僕たちの取り巻くデジタルデバイスの進化と、新たなテクノロジーの導入によって、広告はこれまでと同じように1対マスではなく、1対1の双方向性が重要視されるようになっています。
こうした状況は採用も同じです。従来のマス型モデルでは対応しきれない時代になっているのです。
そのため企業は、採用活動においてもマーケティングと同様に、よりフレキシブルに進める必要が出てきました。
マーケティング力がモノを言う採用
こうして採用領域は、従来のエントリー待ち-選考-採用というわずか3つのプロセスから、マーケティング領域のノウハウを取り入れています。
エントリーの前の、採用認知、興味の喚起、検討状態の求職者へのアプローチという3つの工程を増やすようになります。
認知、興味、検討というマーケティング上重要な3つの段階を取り入れた採用プロセスは、リクルートメント・マーケティングとして新たに誕生しました。
採用現場にもマーケティング視点が加わる
このリクルートメント・マーケティングでは、マーケティングで購入者に対する新商品情報や割引情報といったフォローを入れるのと同じく、採用後にもフォローとして研修や教育といったオンボーディングを設定し、従業員に対してモチベーションを維持する仕掛けを設置します。
このようにマーケティングのノウハウを使い、より幅広いレンジの採用候補者を効果的に選抜し、定着、活躍してもらうという手法がリクルートメント・マーケティングの考え方です。
従来の採用との比較
従来のような求職者のエントリーを起点とした場合、彼らがエントリーする際の動機づけは(とりわけ中途採用希望者は)、会社そのものの魅力よりも、待遇面に重きを置きがちになります。
すでに働いているわけですから、リスクを負って転職する際のモチベーションは、やりがいよりもお金、あるいは自分の経験やスキルを買ってくれるかどうかが重視されるでしょう。
こうした点を踏まえて考えてみると、エントリーありきの採用の場合、エントリーを増やすためには、同業他社のオファーを上回る必要が出てきます。
従来型の採用は同業他社との競争
仮にここで”競争をする”という選択をした場合、文字通り競争に巻き込まれ、希望通りの人材に巡り合えない可能性も出てきます。
こうしたオファーの優劣で採用の有利不利が決まらないのが、リクルートメント・マーケティングです。
新しい採用は、ビジョンでマッチングを図る
転職意欲が顕在化していないターゲットに対し、自社オウンドメディアやSNSを通じて情報発信を行い、いわゆるビジョンマッチを重視した採用活動を行っていきます。
このプロセスでリード(見込み客ならぬ見込み転職希望者)を増やせるため、エントリーありきの採用とは異なる採用プロセスで、エンゲージメントの高い希望者を集めることができます。